原子量・分子量・式量とは?|化学基礎

1個がとても小さく扱いにくい原子は「原子量」という考え方を用いると便利です。ここでは、原子量とそれに関連する事柄を見ていきます。

相対質量

質量数12の炭素原子12Cを基準とした、各原子の相対質量を表した値のことで、国際的に決められています。なお、相対質量は基準(12C)に対する比なので単位はありません。

ちなみに、質量数とは原子を構成する陽子と中性子の数の和をいいます。

原子量

元素の多くは、相対質量の異なる同位体の混合物であることから、それらの質量数と存在比をかけ合計したものを原子量といいます。なお、原子量も相対質量をもとにしたもののため単位はありません。

たとえば、塩素原子は35Clと37Clの2つの同位体が存在し、それぞれの質量数に存在比を掛け、足し合わせることで、塩素原子の原子量を求めることができます。

分子量

原子量と同じ基準(12C)を用いて分子の相対質量を表した値のことをいい、分子を構成するすべての原子の原子量を足し合わせたものです。(相対質量をもとにしているため単位はありません。)

式量

化学式量ともいい、分子が存在しない物質は、分子量の代わりに用いられます。

塩化ナトリウム(NaCl)のようなイオン結合性の物質や、銅(Cu)のような金属には分子が存在しないため、分子量に相当する量として式量を用います。

式量は、組成式を構成するすべでの原子の原子量を足し合わせて求めることができ、こちらも相対質量をもとにしており、単位はありません。

たとえば、塩化ナトリウムの式量は次のとおりです。

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