紫外線殺菌の特徴と仕組み|水処理技術

水道水などの水処理で用いられる紫外線殺菌。塩素による消毒は一般に知られていますが、紫外線殺菌とはどのようなものなのでしょうか。その特徴や仕組みを見ていきたいと思います。

化学薬品を使わずに殺菌できる

一番の特徴は化学薬品を使用しないことです。そのため、食品加工で用いる水や、超純水など幅広い分野で使用されています。

また、水道水の製造工程においては、塩素消毒を補完する目的で、クリプトポリジウムなどの耐塩素性のある微生物への対策として用いられています。

紫外線照射により遺伝子を損傷させる

細菌の遺伝子がもっている、波長260nm付近の紫外線を最も多く吸収する性質を利用し、UV-C(波長280nm未満の紫外線)を照射することで、遺伝子を傷つけ、増殖や感染性を奪うことで活動を停止させます。

構造はとてもシンプル

紫外線殺菌装置の仕組みは、金属製の管の中に260nm付近の紫外線を発する水銀ランプを設置し、管の中に水を通すことで、水に紫外線を照射します。

紫外線についてもう少し

紫外線はX線と可視光線の間に位置する波長10~400nmの電磁波の総称で、波長によりさらに次の3つに分けられます。

 ・UV-A:波長400~315nm

 ・UV-B:波長315~280nm

 ・UV-C:波長280nm未満

紫外線の中でも波長254nmが最も殺菌効果が高く、水の紫外線殺菌にはUV-Cが用いられます。

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