原子の構造と元素の周期表|化学基礎

環境問題と対峙する上で、化学は切っても切り離せません。ここでは、化学の基礎「原子・元素」についてまとめています。

原子と元素

1)原子

原子とは元素の単体を構成している粒子のことをいい、元素同じ名称及び記号で表します。

たとえば、「水素」という元素の原子は「水素原子」と呼ばれ、元素・水素原子どちらを表す場合も記号は「H」が用いられます。

2)元素

水素がそれ以上別の物質に分けることができないように、元素とは物質を構成する最も基本的な成分のことをいいます。

現在、天然には約90種類、人工的に作られたものも含めると約110種類以上の元素が知られており、それぞれに元素記号が定められています。それらは一般に、ラテン語名の頭文字(大文字)1文字か、それにもうひと文字(小文字)を加えて表されます。

[ex.] 水素:H(ラテン語:Hydrogenium)

    鉄:Fe(ラテン語:Ferrum)

原子の構造

原子は原子核と電子からなり、原子核は、プラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子から構成されています。また、原子核の周りには、マイナスの電気を帯びた電子が運動しています。原子核外の電子の数と、電子核内の陽子の数は等しく、原子全体では電気的に中性です。

原子の種類は、原子核の陽子の数によって決まり、陽子の数は原子番号と一致します。原子の構造は周期的に繰り返し、それに伴って化学的性質も繰り返します。(これを表にしたものが周期表です。)

また、陽子の数が同じでも中性子の数が異なる原子が存在し、これらを「同位体」と呼んでいます。なお、中性子の数が違う場合も、化学的な性質に違いはありませんが、原子の質量が異なるため、物理的な性質(密度など)は異なります。

電子の運動

電子は原子核の周りを、決まった軌道に乗って運動しています。

電子の軌道は「電子殻」と呼ばれ、内側から順に「K殻」「L殻」「M殻」「N殻」というようにアルファベット順の名前が付けられています。

また、それぞれの電子殻には電子が入れる数が決まっており、K殻には2個、L殻には8個、M殻には18個、N殻には32個…というように外側ほど多くなります。(基本的には、内側の電子殻から先に埋まっていきます。)

電子が入っていう最も外側の電子殻を「最外殻」といい、電子で満たされると、原子は最も安定した状態になります。

原子の構造イメージ

周期表

周期表を横(行)で見たとき、1行目に第1周期、2行目に第2周期の元素が並べられています。第1周期の元素は最外殻がK殻、第2周期の元素は最外殻がL殻と周期ごとに並べられています。(周期は第1周期から第7周期まであります。)

周期表を縦(列)で見た場合、1列目には1族、2列目に2族の元素が並べられています。1族の元素は最外殻の電子の数が1個、2族の元素は最外殻の電子の数が2個、13族の元素は最外殻の電子の数が3個です。周期表の縦の列には最外殻の電子の数が同じ元素が並んでいます。(族は1から18族まであります。)

同じ族の元素同士は化学的な性質が似ています。ここから、元素の化学的な性質は最外殻の電子の数の影響を大きく受ける事が分かります。

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