インバスケット研修とは?なにするの?

先日、縁あってインバスケット研修を受けさせてもらう事になりました。しかし、それまでインバスケット研修というのを聞いたことがなく、調べてみても今イチ研修内容のイメージが湧きませんでした。

企業内研修などで急きょ受けることになった方の中には、 私と同じ様に、ちょっとは準備をしておきたいけど全然分からない、という人もいるのではと思いますので、この記事で少しイメージをしてもらえたらと思います。

また、今のところ全く関係ないという方も、仕事やプライベートでの自身の行動を見直すきっかけにもなると思いますので、知っていて損はないかと思います。

1.インバスケットとは?

インバスケットとは、架空の人物になりきり、限られた時間の中でメールやメモなど複数の案件を次々に処理していくビジネスゲームです。

自分の置かれている状況が細かく設定されており、役職や年齢だけでなく、処理を行う日時や次に連絡を取れる日、職場に戻る日など、多くの制約条件がある中で、個々の重要度を即座に判断し、部下に指示を出したり、保留したりと、処理内容を決定していきます。

ゲームの性質上、自分自身が動いて成果を出すことができないため、部下や組織を活用する能力が求められます。

案件処理の結果に絶対的な正解はなく、インバスケットを通して結果にたどり着くまでのプロセスを評価し、自身の判断や進め方の癖を理解する事で、マネジメントスキルの向上を図ることが主な目的です。

ちなみに、インバスケットを直訳すると、「未処理箱」(マネジャーの机に置いてある決裁前の書類を入れる箱)を意味するそうです。

また、ルーツは1950年代まで遡り、アメリカ空軍の教育機関で導入され、訓練結果を測定するために開発されたものです。


2.研修ではどんなことをするの?

全ての研修で共通ではないかも知れませんが、私が受けた研修内容をご紹介します。

1)オリエンテーション

  研修の概要説明、グループ内での自己紹介など

2)インバスケット

  個人で案件処理(制限時間60分で20件)→案件の優先順位トップ3を決める

3)グループワーク①

  グループ内で優先順位トップ3をまとめ、発表する

4)グループワーク②

  最優先案件に対し、解決のために何をすべきかグループでまとめ、発表する

5)自身のインバスケット結果をスコアリング

  スコアシートを見ながら自己採点し、自身の癖、特徴をつかむ

6)振り返りと次の行動をグループ内で共有

インバスケットの制約条件と案件の例


3.なにが得られるの?

細かく言うと得られるものは人によって様々だと思いますが、この研修の一番のメリットはディスカッションすることで、人と自分を比較でき、自分の癖に気づける事だと思います。

同じ制約条件の中でも、組織全体を円滑にまわす事を考える人、発生しうるリスクに気づく人、人の心を考えられる人など様々な視点を持った人がおり、参考になる点や、人と比べて自分は出来てたなと思う点など、改めて認識することが出来ました。


あらゆる研修や講習に共通して言えることですが、一度聞いただけ、体験しただけでは、なかなか身につくものではありません。ここで得られるのはあくまでも「気づき」です。しかし、日常その様な気づきを得られる機会もそう多くはありませんので、あえて普段と違った状況に強制的に身を置く事も良いのではないかと思います。

気になる方は、ぜひ一度受けてみてはと思います。

インバスケット研究所ホームページ