シャープさんの環境取り組み調べてみた

シャープさんのプラスチックリサイクル技術に関する唐突なツイートから、「実は結構環境取り組み頑張ってる?」と他の取り組みも気になり、サステナビリティレポート2019を中心に調べてみたところ、様々な環境取り組みが見えてきました。ここでは、その中から4つの取り組みをご紹介します。

Twitterより

1)長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」

シャープでは2050年に向けた長期環境ビジョンとして「SHARP Eco Vision 2050」を策定しており、ここでは、「気候変動」「資源循環」「安全・安心」のカテゴリーごとに挑戦的なゴールが定められています。

気候変動

・サプライチェーン全体で消費するエネルギーを上回るクリーンエネルギーを創出する

・自社活動のCO2排出量をゼロへ

資源循環

・製品への新規採掘資源の使用をゼロへ

・自社活動による廃棄物の最終処分をゼロへ

安全・安心

・化学物質の適正管理で人の健康や地球環境・生態系を守る


2)プラスチックの自己循環型マテリアルリサイクル技術

私がシャープさんの環境取り組みを調べようと思うきっかけになった技術です。

この技術は、使用済み家電製品から回収したプラスチックを新しい家電製品の部材として何度も繰り返し再生利用するもので、関西リサイクルシステムズ(株)と共同で開発、実用化された技術です。

・2018年度は、更にポリプロピレンに難燃性を付与する基礎技術を確立しました。

・2001年度から2018年度まで累計17,000トンが再生されています。

プラスチックの自己循環マテリアルリサイクル技術


3)平成30年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞

亀山工場(三重県)で取り組んだ「液晶半導体工場における外調機を中心とした省エネ活動」が省エネ事例部門で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

製品の品質に直結するため実施が難しかった空調設備において、生産技術部門と環境部門が組織横断的に活動を推進し、原油換算で5,485kL/年のエネルギー削減を行いました。

また、同工場では3年間で194件もの省エネ施策を実施しています。

ちなみに、令和元年度には三重工場(三重県多気郡)でも省エネ活動が評価され、同じく省エネルギーセンター会長賞を受賞しています。


4)グリーンプロダクト/デバイスの開発

環境に配慮した製品/デバイスを、それぞれグリーンプロダクト/グリーンデバイスと定め、開発、設計指針をまとめたガイドラインを全社で運用しており、企画から施策・量産の各段階において達成度を評価することが仕組み化されています。

シャープのグリーンプロダクト


でも、少し残念だったかも… サステナビリティレポート

サステナビリティレポートを拝読し、積極的な省エネ活動など環境に配慮した事業運営をされていることは理解できましたが、今ひとつ具体性に欠ける印象を受けたのも正直な感想です。

SHARP Eco Vision 2050 で掲げられた3分野の目標に対して今どの位置にいるのか、どうやって達成しようと考えているのか残念ながら読み取ることができませんでした。

その他、本業(シャープ製品)による貢献、例えば、BtoBで製品をパッケージで導入することによりこれだけの改善がされたなど、せっかく良い商品を作られているので、そういった効果実績も知れたらとユーザーとして思いました。

サステナビリティレポート2019