DO(溶存酸素)とは?|水質項目

DO(溶存酸素)とは

DOはDissolved Oxygenの略で、日本語では溶存酸素と呼ばれています。水中の酸素濃度を表し、単位はmg/Lが用いられます。

水中の魚介類などは、水中に溶けている酸素(=溶存酸素)で呼吸をしており、彼らにとって溶存酸素は必要不可欠なものです。

一方で、ボイラーなどで使用する工業用水は、水中に酸素が含まれていると配管などの金属を腐食させてしまいます。そのため、物理的もしくは化学的な方法により酸素を取り除くこともあります。

適正な濃度

一般的に溶存酸素の値が大きいほど、その水はきれいで、1気圧20℃における飽和溶存酸素量は8.84mg/Lです。(ただし、温度や塩分濃度の上昇に伴って、溶存酸素量は低下します。)

また、水中の生物が生息するには6.0mg/L以上が望ましいとされており、さらに、サケやマスがふ化するためには7.0mg/L以上必要といわれています。

溶存酸素濃度が低下すると

きれいな水(溶存酸素が多い水)に工場排水や生活排水に多く含まれる有機性汚濁物質が流入すると、好気性微生物などの働きにより汚濁物質が分解されます。しかし、同時に水中の溶存酸素も消費されてしまいます。有機性水質汚濁が深刻になるほど、溶存酸素は低下し、溶存酸素の低下は好気性微生物の働きを抑制してしまい、ひどくなると、底部から溶存酸素が枯渇し、黒ずみ、さらには硫化水素などにより悪臭も発生してしまいます。

反対に、富栄養状態にある水域では、植物プランクトンの光合成によって酸素が多量に産出され、昼間に過飽和状態になることがあります。

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