ブリッジ回路|直流回路

今回はブリッジ回路についてです。
ブリッジ回路といえば、そのひし形のシルエットがとても印象的ですが、どのようなものをブリッジ回路と呼ぶのか、その特徴や実際に使われているものについて触れていきます。

Ⅰ.ブリッジ回路とは

1.見た目だけではない

図1のように、R1・R2・R3・R4[Ω]の4つの抵抗を接続し、b-d間に検流計Gを接続した回路をブリッジ回路といいます。
「ブリッジ回路」というと、図1のようなひし形の回路を思い浮かべていまいがちですが、実は次の図2に示す回路も電気的には図1とまったく同じ回路です。

図1と図2に共通しているのは、直並列回路の各直列接続の部分の真ん中がそれぞれ繋がれているという点です。
すなわち、ブリッジ回路は直並列回路の中間点が橋渡し(ブリッジ)されている回路のことをいいます。

2.電気的な特徴

図1のブリッジ回路の、b点とc点の間の電圧が等しい(電位差がない)とき、橋の部分(b-d間)には電流が流れません。(電流は電圧の高い方から低い方へと流れるのであたりまえですね。)

また、このような状態のとき、次の式が成り立ちます。

この式1のような、斜めに向かい合った抵抗を掛け算した値同士が等しいとき、その状態をブリッジ回路が平衡しているといいます。

Ⅱ.身近なものにも応用されている

1.ひずみゲージ式ロードセル

ブリッジ回路は「ひずみゲージ式ロードセル」に応用されています。と言ってもすぐに連想できる方は少ないかも知れません。
ひずみゲージ式ロードセルとは力を検出するセンサーのことで、これは体重計やキッチンスケールのような身近なものから何トンという高重量を測定するようなものにまで幅広く使われています。

それでは、ひずみゲージ式ロードセルの中でブリッジ回路がどのように応用されているのかを見ていきます。

まず、図3のようにひずみゲージ式ロードセルは主に起歪体(きわいたい)とひずみゲージと呼ばれる部品で構成されます。
起歪体はその文字通り力が加わることでひずみが生じる部品です。この起歪体にひずみゲージと呼ばれる伸び縮みによって電気抵抗が変化するセンサーを4つ貼り付けます。
ひずみゲージが図1で見たブリッジ回路の抵抗の部分にあたり、重さを量るときにロードセル(起歪体)に力が加わってひずみが生じると、そこに貼り付けてあるひずみゲージの電気抵抗値が変化します。
電気抵抗値が変化するということは、橋渡ししている各点に電位差が生じます。したがって、この電位差を測定し、その電位差に対応する重量に変換することで、ロードセルにどれだけの力が加わっているのかを知ることができるというものです。

さいごに、図4はひずみゲージ式ロードセルを回路図で表したものです。
たしかに、ブリッジ回路が使われていることが分かりますね。