高位発熱量と低位発熱量|エネルギー

燃料が完全燃焼したときに発生する熱量のことを発熱量(単位:MJ/kgなど)と呼びますが、これにはタイトルにも記載したように「高位発熱量」と「低位発熱量」があります。

高位発熱量とは

燃焼の際に発生する水蒸気の蒸発潜熱を含んだ発熱量を高位発熱量と呼びます。

表記は他にも、HHV(Higher Heating Value )や高発熱量、総発熱量(= GCV:Gross Calorific Value)があります。

低位発熱量とは

燃焼の際に発生する水蒸気の蒸発潜熱を含まない発熱量を低位発熱量と呼びます。

表記は他にも、LHV(Lower Heating Value )や低発熱量、真発熱量(= NCV:Net Calorific Value)があります。

発熱量の測定

発熱量は熱量計によって測定されます。熱量計では、その内部に十分な乾燥空気を封入・点火し試料(燃料)を完全燃焼させ、その後、燃焼前の温度まで冷却します。そのときの燃焼熱を熱量計内の水に吸収し、水温の変化をみることで発熱量を測定します。(代表的な熱量計のひとつにはボンベ形熱量計があります。)

熱量計の原理上、水蒸気が液体に戻るときの凝縮潜熱(=蒸発潜熱)も計測されるため、熱量計で計測されるのは高位発熱量になります。
しかし、多くの場合、蒸発潜熱は水蒸気として煙突から排出されてしまい利用されることがありません。そのため、利用しない蒸発潜熱を熱量の計算から除外するため、低位発熱量が用いられます。

よって、高位発熱量と低位発熱量は次の様に表すことができます。

低位発熱量 = 高位発熱量 – 蒸発潜熱